七歳の女の子

  七歳のお祝いは「帯ときの議」といって子ども用の「四つ身」の着物を着て、はじめて大人のように帯を結ぶ儀式から
  きています。本格的な帯結びですから、子どもがくるし苦しくないように着せてあげることが大切です。
  締めつけず、多少動いても着くずれしない着つけのポイントは、胸ひもはゆるめに、腰ひもはしっかり結ぶことです。
  用意するもの
  □ 着物、帯、補正用タオル、おしぼりタオル、ピンチ、輪ゴム2本 
  □ 肌じゅばん
     すそよけ
  肌じゅばんはガーゼやさらしが
 一般的。
 すそよけは、すそさばきのいい
 化織りなど

  □ 帯揚げ   盛装には鹿の子絞りが主流。
 そのほか綸子やちりめんも。
 しごきと色をそろえる。

  □ 半えりと
     長じゅばん
  半えりは刺しゅうが
 ほどこされた華やかなものを
 あらかじめ長じゅばのえりに
 ぬいつけておく。
 えり芯は不要。
 長じゅばんは正絹か化織で、
 肩揚げをしておく。

  □ しごき
  帯の下辺を上から飾りに
 締めるもので抱え帯ともいう。
 帯揚げと色をそろえ、
 コーディネートのさし色にする。

  □ 腰ひも
      3本、
      帯板、
      帯枕、
     だてし締め
      1~2本
  腰ひもはモスリンが一般的。
 帯板は帯にはさんで使うタイプ
 と、ベルトつきがある。
 写真はセット商品。

  □ はこせこ、
      扇子、
      帯締め
  はこせこと扇子は祝い着の
 装身具のひとつ。
 胸元に入れたり、左脇、帯締め
 にはさんで使う。
 帯締めは、丸くげが一般的。

  □ ぞうり
  足のサイズに合ったものを用意。
 少し台が高めのものが向く。
  □ 足袋
  白のキャラコで、こはぜが3~4枚のタイプが一般的。
 足にぴったりなじむストレッチ素材やソックスタイプも楽。
  
   準備する
   ヘアメイク
  ヘアは必ず着付けの前にすませておきます。
 長い髪をたらすスタイルにしたい場合にも、
 着付けの間だけは上げておきましょう。
 メイクも先にすませておきたいもにですが、
 あとにする場合は胸元に布をかけて汚れないよう予防します。
   足袋
  着付けの前にはいておきましょう。
   下着
  すそよけ、肌じゅばんの順番に着せます。
   補正
  腰のくぼみにタオルを巻いて
 ほもで固定します。
 着姿を美しくするだけではなく、
 締めつけすぎないので楽で
 す。

  
   下着、長じゅばんを着せます
   長じゅばんは、あらかじめ肩上げ、腰揚げをしておきましょう。丈は足首から5~6㎝上が目安。半えりは、
  前もって長じゅばんにぬいつけます。
  
   長じゅばん
   を着せる
  背ぬいが中心になるように
 長じゅばんを着せ、
 下前(向かって左)、
 上前の順で合わせる。
 腰ひもを二重に後ろでねじり
 結びにする。
 着くずれが心配なら、ここで
 だて締めをする。

   Point:1
  長じゅばんの前えりはのどの
 くぼみが隠れるようにして
 ぴったり合わせる。

   Point:2   後ろえりは縦に指が1~2本
 入る程度に抜く。
 子どもの着付けは衣紋をぬ
 きすぎないようにゆるのが
 コツ。

  
   着物を着せます
   着物は、あらかじめ肩揚げをしておきます。腰揚げもしておくと楽ですが、ここでは、おはしょりをとりながら着せる
  方法を紹介します。
  
   着物を
   羽織らせる
  着物を肩にかけて長じゅばん
 の袖を着物の袖に通す。
 えり先を前で合わせ、じゅば
 んと着物の背ぬいを
 合わせて後ろえりを長じゅば
 んにピンチでとめておく。

 Point
 ここで着物と長じゅばんの袖
 をあわせておきましょう。
 ゆきを左右に引いて合わせ、
 袖丈は振りから見て確認
 します。

  
   丈を決め、
   身ごろを
   合わせる
  えり先より少し上を持って前
 に引いてすそ線を水平に
 固定し、丈を床すれすれに決
 める。

  
  上前幅を右腰骨が隠れるくら
 いを目安に合わせる。丈がず
 れないように注意する。

  
  左右の位置がずれないように
 気をつけて上前を一度開い
 て、下前を合わせ、余った分
 はしっかり巻き込み、上前を
 もう一度重ねる。

  
  腰ひもを二重に巻いて、ゆる
 まないようしっかりと蝶むす
 びにして身ごろを固定する。
 羽根の部分をおはしょりから
 出ないよう平らにし、たれた
 ひもは胴に巻いたひもにはさ
 む。

  
   おはしょりを
   ととのえる
  えりを前で合わせたら、身八
 つ口から手を入れ、上前、下
 前、後ろのおはしょりを きれ
 いにおろす。

  
  下前を一度引き出し、おは
 しょりを三角に折り上げ、前
 のおはしょりを一重にすっき
 りさせる。

  
  下前を元に戻し、えりを重ね
 る。半えりが1㎝出るくらいが
 えり合わせの目安。

  
  えり合わせがくずれないよう、
  胸ひもを締める。あればゴム
 ベルトが便利。

  
  おはしょりの長さを調整し、底
 が水平になる
 ようにととのえる。おはしょりは
 帯の下から 5~6㎝くらいが
 目安。

 Point
  ひもの少し下あたりを両手で
 つまみ、上にスライドさせるよ
 うにして折り上げるのがコツ。
 後ろもきれいに
 まとめましょう。

  
  だて締めでおはしょりを固定
 させる。おはしょりが、だて締
 めの上線からはみ出さないよ
 うに注意。えりにつけたピンチ
 をここではずす。


  
  帯板をだて締めの上からあ
 て、ひもでとめる。ベルトつき
 の帯板があれば
 それをつける。

 ここをチェック!
 帯結びに入る前に、着つけが
 ととのっているか
 確認しましょう。
 着丈、ゆきが左右対称か、
 えりがくずれていないか、じゅ
 ばんがはみでていないか、お
 はしょりがととのっているか
 が、ポイントです。

   
   帯を蝶結びにします
   二重の羽根が華やかな帯結び。2本のゴムを使って、初心者でも簡単に結べる方法を紹介します。
  
   帯を締める
  手の長さを45㎝くらいとって
 幅を半分に折り、
 輪を外側にして肩にあずけ
 る。

  
  たれ側の帯も幅を半分に折
 り、胴に二巻きする。
 一巻き目で後ろの輪の間に、
 いしぼりタオルを入れる。

 Point
 タオルを入れると、羽根をの
 せる台になって羽根がしっか
 り固定されます。

  
  帯の手を上、たれを下に交差
 させて一結びし、しっかり締
 める②でおしぼりタオルを入
 れたら、その上が結び目にな
 るようにする。

  
  再び手を肩にあげて、前帯に
 ピンチで仮どめしておく。

  
  帯枕を安定させるために、帯
 び目の手のつけ根を平らにと
 とのえる。

  
   蝶の形を
   つくる
  帯枕に帯揚げをかけ、二重に
 したゴムを2本、中央近くに並
 べてつけつ。帯の結び目の
 上にあて、帯枕のほもを前に
 回して結ぶ。帯揚げは前で仮
 結びにしておく。

 Point
 ゴムは太めのヘアゴムがお
 すすめ。
 きつすぎると帯が通らなくな
 るので注意しましょう。

  
  帯のたれを結び目から肩より
 少し出す大きさに
 二つ折りにし、1枚目の右側
 の羽根をつくる。

  
  羽根の根元に一つ山ひだを
 つくる。

  
  羽根を、帯枕の右側の二重
 にしたゴムを通し、扇形に広
 げる。

 Point
 羽根は正面から少し見えるく
 らいが理想的な長さです。
 後ろ姿だけだはなく、前から
 もチェックしながら角度と
 長さをととのえましょう。

    左側の羽根も左右対称にな
 るようととのえ、一つ山ひだを
 つくり、帯枕の左側の二重に
 したゴムに通して扇形に広げ
 る。

    point
 帯はすべて表が出るようにし
 ます。左側の羽根をつくると
 きはゴムの間で折り返して羽
 根をつくるときれいに出ます。

    左右の羽根ができあがった
 状態。残っているたれで2枚
 目の羽根をつくる。

 
  余ったたれの半分を
 二つ折りにして、右側の2枚
 目の羽根をつくる。羽根に一
 つ山ひだをつくり、今度は帯
 枕の右側の二重にしたゴム
 の1本だけに通す。

 
  余ったたれで左側の2枚目の
 羽根を右側と同様にしてつく
 り、帯枕の左側の二重にした
 ゴムの1本だけを通して羽根
 のできあがり。

 
   帯締めを
   締める
  前帯にとめておいたピンチを
 とり、肩にあずけておいた手
 をはずす。

 
  手をおろして帯枕と結び目に
 かける。手先を内側に
 折り上げ、中に帯締めを左右
 同じ長さにして通す。

 Point
 帯締めは胴に巻いた帯の幅
 の中央部分を通るのが
 理想的。手先を折り上げる位
 置もそれを目安にしましょう。

 
  帯締めを前で基本結びにす
 る。

 Point
 一結びしたあと、ゆるまないよ
 うに結び目を着る
 人に指で押さえてもらってか
 ら、もう一結びすると
 きれいに締まります。

 
  余りは胴に巻いた帯締めに
 左右それぞれ上からはさみ
 込む。

 
  
帯揚げを
   結ぶ
  帯揚げの仮結びをほどき、上
 端と下端から中央に
 二つ折りにする。さらにそれ
 を二つ折りにして交差させ、
 一結びする。

 
  上になった帯揚げを下の帯
 揚げにかぶせるようにして
 結ぶ。

 
  余りを帯の内側にはさみ込
 んで隠す。

 
  もう片方も脇にはさんで
 完成。

  帯揚げ結びの
 アレンジ
  鹿の子絞りの帯揚げの場合
 は、入り組結びにする
 のがおすすめ。帯揚げがより
 華やかになります。

 
  
仕上げる
  しごきの幅を三つ折りにし、さ
 らに二つ折りにして、
 帯の下線としごきの中央が
 そろうように後ろからあてる。
 二巻きし、左後方で一結びる。

 
  しごきをリボンのように大きく
 結ぶ。

 
  はこせこを胸元にはさみ、
 扇子を帯締めに
 さし込んで、できあがり。

   ここを
   チェック!

  帯締めの間に着物が着き
 くずれていないかチェックしま
 しょう。



 半えり
 ◎えりからきれいにでている

 帯締め
 ◎ゆがんでいないか

 帯揚げ
 ◎左右対称になっている

 
 ◎じゅばんがはみ出ていない

 しごき
 ◎曲がっていない